大判例

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東京高等裁判所 昭和30年(う)3236号 判決

被告人 李万善

〔抄 録〕

弁護人の控訴趣意十一について。

原判決が法令の適用として原判示第一、の事実に対し昭和三〇年法律第一七一号による改正前の覚せい剤取締法第一四条第一項第四一条第四項、原判示第二、の事実に対し右改正前の同法第一五条第一項第四一条第四項を示していることは所論のとおりである。しかし右改正前の同法第一四条第一項は覚せい剤の所持を規制する規定であり、同法第一五条第一項は覚せい剤の製造を規制する規定であるから、原判示第一、の事実に対しては同法第一五条第一項第四一条第四項、原判示第二、の事実に対しては同法第一四条第一項第四一条第四項が適用されるべきであるに拘らず、原判決がこれらの事実に対する適用法条として前記の法条を示しているのは、法令の適用に誤があるといわねばならないのであるが、もともと原判示第一、の事実は営利の目的を以てした同法第一五条第一項違反であり、原判示第二、の事実は営利の目的を以てした同法第一四条第一項違反であり、これらに対する罰条は等しく同法第四一条第四項であるばかりでなく、原判示第一、第二、の事実に対する法令の適用を示すには同法第四一条第四項を示してあれば、この外に必ずしも同法第一四条第一項又は同法第一五条第一項を示すことを要するものではないのであるから、原判決の右法令適用の誤は判決に影響を及ぼすことが明らかであるということができないのである。それ故論旨は結局理由がない。

(近藤 吉田作 山岸)

註 本件破棄理由は量刑不当

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